太田さやか筆文字工房 墨技

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デザインのこと

それぞれの役割

熊本の酒のかわしま様の店舗ロゴ制作をさせていただきました。
木製の看板に入る筆文字ロゴです。
看板の制作は熊本の荒尾市でオーダーメイドの木製看板を制作されている
ウッドサインショップ様に依頼しました。
https://www.woodsignshop.net/
木のぬくもりが感じられるさまざまなタイプの木製看板を
すべてハンドメイドで作られています。
作例を見ても自分の家の表札をお願いしたいくらい、デザインもとても素敵です。

今回は文字部分が浮き上がるように、
ベースには規則正しい深い彫りを施していただきました。
独特の溝がひとつの模様となって美しい!1800×600の大きな看板です。
これからベースや文字部分の塗りの行程へと進むのでまだ途中段階ですが、
細かい筆の「かすれ」まで忠実に再現されています。


通常は筆文字をご提案するところまでが私の仕事ですが、
今回はそれを越えてオーナーのかわしま様や
ウッドサインショップ様と何度もやりとりをして
細部まで調整に調整を重ねてきました。
とても貴重な経験をさせていただきました。
自分の書いた文字に最後まで責任を持つことの大切さ。
そして、別の分野のプロの手によって筆文字に
新たな命が吹き込まれる。


仕上がりがとても楽しみです。


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ルーツ?

思いがけず妹からラインが。
「この皿、まだ使ってるよ」


20代前半の頃、佐賀県有田のとある焼き物会社の企画室に勤務していた
ことがありその時に私が手描きしたものでした。
退社する時に自分が作ったサンプルをいくつかいただけることになり
一部を妹に形見分けしたそうな。
すっかり忘れていた…。。。

これだけの柄を全手描きすると時間もかかるし、商品自体の値段も高くなるので
商品化される時には線書きの部分は全部版になり、その中を呉須(ごす)という
焼き物用の絵の具で色づけしていくのですが、
最初の商品企画の段階ではサンプルとして手描きで書きます。

そのデザイン室では女性をターゲットにした商品を企画していました。
伝統的な有田の生活食器とは一線を画し、アクセサリー類、コットンケースや
小物入れ、カップ&ソーサーやカトラリーなどを何名かの若い女性デザイナーたちが
自由な発想で企画・デザインしていました。

このペン皿やペーパーウェイト、小物入れなども私がデザインし手描きしたサンプル。


この頃は今のような仕事をするようになるとは夢にも思っていなかったけど
方向性は違えども同じ筆を使う仕事をしていたのだなぁ、
元を辿ればこの経験が今の自分の仕事に繋がっているのかもしれないと思い
懐かしく、とてもありがたく思います。



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「らしさ」の追求

最近買ってよかった本。

インプレスさんから発売の『うっとりあじわいじっくりデザイン』
いいデザインを仕上げるには、確かな観察眼、「らしさ」を追求する探究心、
細部の表現に手を抜かない真面目で丁寧な仕事が重要。

手書きの可能性、意義も再認識できるいい書籍です。
表紙のデザインもおもしろい。



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線のチカラ

アジア美術館で開催中のいわさきちひろ展に行ってきました。
いわさきちひろさんの絵は小さい頃から好きで絵本も何冊も持っていました。

綺麗な色彩の水彩絵の具、やわらかなタッチの叙情的であたたかな絵の世界。。。
ずっとそんな印象を持っていましたが、今回の作品展に行って
意外な新しい発見がありました。

もちろん美しい水彩の作品のすばらしさは変わらないのですが
私が今回印象深かったのは、ちひろさんの書くゆるぎない「線」の力と
色を使っていないモノクロの作品です。
特に好きだった作品を2つ。

●たったこれだけの線でこの存在感。


●戦火の中を子どもを守る母親の苦悩と強い意志の入り混じった眼差し
 視線の訴え、すごいなぁ…。。。。

生誕100年
いわさきちひろ、絵描きです。

福岡アジア美術館で5/26(日)まで開催されています。



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文字デザインのヒント

少し前にアンビグラムのお仕事をいただきました。
はじめてのことだったので、普段の筆文字ロゴではありえないほど
考えました(笑)
こういうのが閃きやすい人って、数学の図形問題などが得意な人なのかも。

アンビグラムとは、ある文字(一文字、単語、文も含む)を本来の向きで
読めるだけでなく、回転させたり鏡像にしたりなど、違う見方をしても
読める文字アートのことで、最近流行ってますよね。
同じ言葉になるものもあれば、逆の意味の言葉になったり、
漢字が英文字に変化していくものなど、その種類はさまざまのようです。
考え方のコツとしては、相対する造形の中に何らかの共通点を見いだせると
関連づけがしやすそうです。
例えば画数や線の数、部首の形など…。

アンビグラムではないですが、面白い文字デザインをみつけました。

こういう考え方と少し似ているのかな。
文字のどことどこを繋げるのか?どの線を省略、または共有するのか?などなど。
しかも出来るだけ無理がなく、一定のリズムがあり、
且つ、出来上がったものが美しくないといけない。
どちらにせよ、想像力とバランス力、確かな観察眼が重要なのでしょうね。

基本的に筆文字ロゴは逆さにしたり、回転させる必要はないけれど、
筆文字デザインにも当てはまる部分があるなぁと
改めて考えさせられたのでした。





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整えすぎないこと

ファッション誌やメディアでも最近よく見たり、
聞いたりする言葉に『ヌケ感』というのがあります。
完璧なスタイルに、どこかちょっと
外したアイテムをプラスすることで雰囲気を和らげたり
新たな魅力を見い出したりということだと思います。
まぁ、気持ちはわかりますが、なんでもかんでもヌケ感、ヌケ感って、
ヌケ感て言えばいいと思って…!
というように、あんまり好きな言葉じゃなかったのですが。

筆文字の仕事を始めてもう20年以上経ちます。
有り難いことにたくさんのお仕事をいただき、
キャリアも積んで来たつもりです。
でも未だになかなか克服できない部分があります。
私、整えすぎちゃうんですよね。文字の形とか。
いわゆる『ヌケ感』が足りないのかな。
日々の生活においてはそうでもないのですが…(結構おおざっぱ 笑)
筆文字のことになると、いい意味でも悪い意味でも完璧主義なのです。
これが逆に表現の可能性を妨げているのではないかと
思うところが出て来て。

確実な仕事をすることは大前提として
文字構成やバランスなどはきちんと押さえながらも、
デザインにはいい意味でのヌケが必要なのだと思います。
見た人に想像する余地を残すというか。

これが自分の課題だなぁと思う、今日このごろ。

ただ、ファッションにおいてのヌキ襟はやっぱりキライです(笑)




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ネーミングの力

すばらしいネーミングの枝豆を見つけました。
どぎつい紫色のラベルもあっぱれです。
ついつい買いたくなる、ハンパないこの訴求力。
「百笑屋」お店の名前もいいですね。

熟女?の私も思わず飛び付いてしまいました。

糸島、バンザイ!!

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デザインしない

大好きなカルディで久しぶりにパケ買いしてしまいました。


「いのち・りんご」
ふわふわのスポンジケーキの中にシャキシャキ食感の
りんごの果肉入りソースとカスタードクリームが入ってます。
食べたかったわけじゃないけれど、ついつい買ってしまった♪
美味しいりんごの産地、青森県のお菓子です。

過剰なデザインはないのに、妙に購買意欲を掻き立てられるシンプルなパッケージ。
いのちの手書き文字、りんごのワンポイント、色づかい、全部いい。
一見デザインしてなさそうで、多分すごく考えて作られていると思います。

そういうものに、わたしもなりたい。


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教えるということの責任


天神でプロ養成のスクールを始めて11年目、
糸島で趣味のデザイン書教室を始めて10年目。
単発の講座などを含めると、これまで本当にたくさんの人にデザイン書を教えてきました。
最近、つくづく「人にものを教える」ということの難しさを感じています。

生徒さんはみんな個性も違うし、レベルも違う。
そして学ぶことに対しての熱量にもそれぞれ差があります。
それにどうしたら正しく対応していけるのか…。
一人よがりになってないか、押しつけになっていないか。
ある意味、教えすぎていないか…。
日々悩むところですが、始めてしまったからには後戻りはできません。

教えることは同時に自分が学ぶこと。

10月には糸島のデザイン書教室の作品展も控えています。
みんなを否定せず、でも妥協せず、共に高みを目指したい。




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細部まで

以前にもブログに書いた天神のペーパーロードさん。
さながら紙の博物館といった趣のお店。
見るだけでも楽しめます。
高級な紙が多いのですが、中には小さいサイズのお手頃なものもあり。
日本の伝統文様や小紋などの柄は色使いやトリミング、額との合わせ方で
洋にも和モダンにも使えるのです。
よく作品を持ち込んで店員の方に相談していますが、
いつも親身になって、私の面倒な注文につきあってくださいます。
作品展にも足を運んでくださったり、ありがたいです。

ここはなにもかもがセンスが良くて、紙を買った時に包んでくださる
赤い包装紙でさえ素敵でもったいないので表装につかっちゃったりしています。
先日ぼかし柄の小さい和紙のセットを買った時に入れていただいた
袋がまたまたいい感じだったので。


英文字のロゴが入っているえんじ色の部分はちぎり紙を
クラフト地の袋に貼り合わせてあります。
これ手作業なのかな?わからないけど、大量生産ではなさそうです。

紙技。の文字も効いています。
こういうところにまで手を抜かない企業姿勢、すばらしい。




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